283.巻三・390:紀皇女の御歌一首
譬喩歌(ひゆか):万葉集の歌を表現の面から分類した部立の一つ。
巻三は雑歌、譬喩歌、挽歌からなっています。雑歌の次に390番歌から譬喩歌に入ります。
譬喩歌は人間の姿態・行為・感情を事物に譬えて述べた歌です。
相聞的内容の寓喩(ぐうゆ)の歌がそのほとんどを占めています。
紀皇女:天武天皇の子。穂積皇子の同母妹。
390番歌
訳文
「軽の池の岸辺に沿うて泳ぎめぐる鴨でさえ、玉藻の上に独り寝なんかしないのになあ」
書き出し文
「軽の池の 浦み行き廻る 鴨すらに 玉藻の上に ひとり寐なくに」
軽の池:軽は、橿原市の南東部、明日香村に隣接する一帯。
独り寝の寂しさをかこつわが身を寓した歌。
譬喩歌の冒頭の歌として、特に艶聞の多い紀皇女の古歌をすえた。
引用した本です。
今朝は積雪ゼロ、でも寒さは厳しいです。
やはり大寒ですね。
では、今日はこの辺で。