万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

111.巻一・13、14、15:中大兄(近江宮に天の下治めたまひし天皇)の三山(みつやま)の歌

13:「香具山は 畝傍雄雄(うねびをを)しと 耳成と 相争ひき 神代より かくにあるらし 古(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき」(香具山は畝傍山を雄々しいと思って、耳成山と争った。神々の時代から、こんなものであるらしい…

110.巻一・10、11、12:中皇命、紀伊の温泉に往(いでま)す時の御歌

中皇命は、間人皇后(中大兄皇子の妃) 10番歌:「君がよも 我がよも知るや 岩代(いわしろ)の 岡の草根を いざ結びてな」 <歌意>(あなたの命も私の命も支配していることよ。この岩代(磐代)の岡の草を さあ結びましょう) 草の根を結ぶ:ネは接尾語、…

109.巻一・9:紀伊(き)の温泉(ゆ)に幸(いでま)す時に、額田王が作る歌

「莫囂円隣之大相七兄爪謁気 我が背子が い立たせりけむ 厳橿(いつかん)が本(もと)」 <歌意> (莫囂円隣之大相七兄爪謁気 わが君がお立ちになったであろう、その聖なる橿の木の根元よ) 鎌倉時代の仙覚以来、さまざまの読み方が試みられているが、まだ…

108.巻一・8:額田王:潮もかなひぬ

額田王が歌 「熟田津(にきたつ)に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出(い)でな」 <歌意> (熟田津で、船出をしようと月の出るのを待っていると、月も出、潮の具合もよくなった。さあ、今こそは漕ぎだそう) 苦手であった高校の古文で取り…

107.巻第一・7:額田王:万葉集最初の歌

明日香の川原の宮の下知らしめす天皇の代 天豊財重日足姫天皇(三十五代皇極天皇) 額田王が歌 いまだ詳(つばひ)らかにあらず 「秋の野の み草刈り葺(ふ)き 宿れりし 宇治の宮処(みやこ)も 仮廬(かりいほ)し思ほゆ」 左注に続きますが、省略します。…

106.巻第一・5,6:軍王(こにしきのおほきみ)・反歌

讃岐の国の阿益(あや)の郡(こほり)に幸(いでま)す時に、軍王が山を見て作る歌 <雑歌> 「霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み ぬえこ鳥 うら泣き居(を)れば 玉たすき 懸(か)けのよろしく 遠つ神 我が大君の 行幸(…

105.巻第一・3,4:中皇命(なかつすめらみこと)・反歌

<雑歌> 天皇、宇智の野に遊猟(みかり)したまふ時に、中皇命の間人連老(はしひとのむらじおゆ)をして献(たてまつ)らしめたまふ歌 「やすみしし 我が大君の 朝(あした)には 取り撫でたまひ 夕べには い寄り立たしし みとらしの 梓の弓の 中弭(なか…

104.巻第一・2:天皇の御製歌・舒明天皇

<雑歌> 高市の岡本の宮に天の下知らしめす天皇の代 「大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙(けぶり)立つ 海原(うなはら)は 鷗(かもめ)立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は」 <…

103.巻第一・1:天皇の御製歌(おほみうた)・雄略天皇

万葉集に興味を持ち、好きな歌を訪ねてきましたが、そういえば四、五一六首の和歌を通して読んでいないなと思うようになりました。毎日、一首読んだとしてもほぼ12.4年かかることになります。でも、最初から読んでみたいなと思うのです。それで読んでいきた…