286.巻三・393:満誓沙弥が月の歌一首
393番歌
訳文
「見られなくても誰が月を見たがらずにおられようか。
山の端のあたりで出かねている月をよそながらにも見たいものだ」
書き出し文
「見えずとも 誰れ恋ひずあらめ 山の端に いさよふ月を 外に見てしか」
月に深窓の女性を譬えて憧れる気持を詠んだ歌。
集中月を詠んだ歌は二百首近いです。
数が多いだけに使われた呼称は月、月夜、朝月夜、暮月夜、夕月夜、暁月夜、若月(三日月)、望月(満月)、居待月、月読壮士(月を擬人化したもので男を意味した)など多彩です。
額田王の歌(巻一・8番歌)と大伴家持の歌(巻六・994番歌)の二首が、月を詠んだ代表的な歌でしょうか。
引用した本です。
今朝の寒さは幾分和らいだのですが、積雪は10㎝ほどで、朝食前に雪かき。
この寒さと雪はあと一週間くらいかな。
では、今日はこの辺で。