363.巻四・568~571:大宰帥大伴卿、大納言に任けらえて京に入る時に臨み、府の官人ら、郷を筑前の国蘆城の駅家(うまや)餞する歌四首
568番歌
訳文
「これから旅される船路の、岬々の荒磯に立つ五百重波(いおえなみ)のように、立っていても座っていても、いつも思いを去らぬ君です」
書き出し文
「み崎みの 荒磯に寄する 五百重波(いほへなみ) 立ちても居ても 我が思へる君」
569番歌
訳文
「韓国の人が衣を染める紫の色が染みつくように、紫の衣を召した君のお姿が私の心にしみついて思われてなりません」
書き出し文
「韓人の 衣染むといふ 紫の 心に染みて 思ほゆるかも」
570番歌
訳文
「大和に向けて君が出発される日が近づいたので、心細いのか野に立つ鹿までがあたりを響かせるほどに鳴き叫んでいます」
書き出し文
「大和へ 君が発つ日の 近づけば 野に立つ鹿も 響(とよ)めてぞ鳴く」
571番歌
訳文
「月夜もよいし川の音も清らかだ。さあここで、都へ行く人も残る人も、歓を尽して帰ることにしましょう」
書き出し文
「月夜よし 川の音清し いざここに 行くも行かぬも 遊びて行かむ」
別れの悲しみに沈みがちな座を取り持とうとする歌。
引用した本です。
数日前から鳴いていたようなのですが、今朝鶯の声を聞きました。
地区の桜はまだ開花していませんが、桜咲く時期だなと。
昨日読み終わった本です。
横山大観記念館や島根県の足立美術館で鑑賞した画が思い出です。
では、今日はこの辺で。