519.巻六・973・974:天皇、酒を節度使の卿等に賜ふ御歌一首あわせて短歌
973番歌
訳文
「わが治め給う国の遠く離れた政庁に、そなたたちがこうして出かけて行ったなら、私は心安らかに遊んでいられよう。ゆったり腕組みしておいでになれよう。天皇である私の尊い御手で、髪を撫でてねぎらい給うぞ。頭を撫でてねぎらい給うぞ。そなたたちが帰って来る日にまた一緒に飲む酒であるぞ。この奇(くす)しき酒は」
書き出し文
「食(を)す国の 遠(とほ)の朝廷(みかど)に 汝(いまし)らが かく罷りなば 平(たひら)けく 我れは遊ばむ 手抱(てむだ)きて 我れはいまさむ 天皇(すめら)我が うづの御手もち かき撫でぞ ねぎたまふ うち撫でぞ ねぎたまふ 帰り来(こ)む日 相飲まむ酒ぞ この豊御酒は」
天皇がみずからに敬語を用いた、いわゆる自敬表現が見えるのは、宣命などと同じく、天皇自身が発言する形式をとりながら、作者や伝達者が別にあり、その人物の天皇への敬意が表れたもの。類想歌4264番歌。
帰り来む日:以下三句、4264番歌に類句がある。天皇の賜る壮行歌の類型句。
反歌一首
974番歌
訳文
「そなたたちの行く道はますらおたるものが行くという道であるぞ。よいかげんな気持で行くでない。ますらおたちよ」
書き出し文
「ますらをの 行くといふ道ぞ おほろかに 思ひて行くな ますらをの伴」
節度使たちに決意を促すとともに、彼らを「ますらを」とよぶことによって激励した歌。
昨年の2017年11月20日に裏山と庭を撮影
今日2018年11月21日の朝に雪が少し積もっていました。
どうやら今年の小樽の家の初雪は、2018年11月21日と言えます。
昼まで解けてなくなりそうです。
では、今日はこの辺で。