万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

493.巻六・907~912:養老七年癸亥の夏の離宮に幸す時に、笠朝臣金村が作る歌一首あわせて短歌(二の一)

万葉集 巻第六

雑歌(公的な場で披露されたさまざまな歌をいう)

二の一

元正天皇行幸で、奈良県吉野の宮滝付近にあった離宮に。

907番歌

訳文

「滝の上の三船の山に生き生きとした枝をさしのべて生い茂っている栂(とが)の木、

そのとがという名のようにつぎつぎと、代々の天皇が万代(よろづよ)までもこうしてお治めになるこの吉野の秋津の宮は、国つ神の御威光のせいかまことに尊い。国柄が立派なせいか誰もが見たいと心引かれる宮だ。山も川も清くさわやかなので、神代以来ここが宮所と定められたのも、まことにもっともなことである」

書き出し文

「滝の上の 三船の山に 端枝(みづえ)さし 繁(しじ)に生(お)ひたる 栂の木の いや継ぎ継ぎに 万代に かくし知らさむ み吉野の 秋津の宮は 神からか 貴(たふと)くあるらむ 国からか 見が欲しからむ 山川を 清みさやけみ うべし神代ゆ 定めけらしも」

916番歌」まで、柿本人麻呂の36~39番歌につぐ三十数年ぶりの吉野讃歌。元正天皇の詔に応じて奉られたもの。

912番歌までの金村作は、吉野の宮讃めを主題とする。

907番歌のように、神代以来、万代にわたって変わらず栄えると述べ、眼前の景を根拠として「うべ」とみずから納得したことを表すのは、奈良朝の儀礼歌における賛美の表現の型である。907番歌、とくに前半は、構文、語句ともに山部赤人の324番歌を踏まえている。

引用した本です。

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下鴨神社

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では、今日はこの辺で。