万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

435.巻四・783・784・785:大伴宿禰家持、娘子に贈る歌三首

娘子:700番歌や714番歌の題詞に見える娘子と同一人物か。

783番歌

訳文

「一昨年のその前までずっと恋いつづけているのに、なぜあなたに逢えないのだろう」

書き下し文

「をととしの 先つ年より 今年まで 恋ふれどなぞも 妹に逢ひかたき」

足掛け四年恋いつづけたことになる。

娘子を「離絶すること数年」の坂上大嬢と結びつける証拠となりうるか。

690番歌の脚注三を参照のこと。

784番歌

訳文

「現実に逢えるなら、むろん何も言うことはありません。せめて、あなたの腕(かいな)を枕に共寝する夢を見ることでもできたら・・・」

書き下し文

「うつつには さらにもえ言はず 夢(いめ)にだに 妹が手本(たもと)を まき寝(ぬ)とし見ば」

現実と夢とを対比し、夢で逢うだけでも満足だと言わなければならないほどのせつない恋心を述べた歌。

785番歌

訳文

「わが家の庭の草葉に白々と置く露、その露のように私の命がはかなく消えても少しも惜しくはありません。あなたに逢えないのだから」

書き下し文

「我がやどの 草の上白く 置く露の 身も惜しくあらず 妹に逢はずあれば」

置く露の:上三句は序。「身も惜しくあらず」を起こす。消えやすい露のようにこの身がきえてもよい意。

引用した本です。

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下の本の大伴氏関係図(著者作成)では、大嬢を()であるが家持の配偶者としている。

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薬師寺唐招提寺の画像を貼り付けます。なお、2008年の唐招提寺は金堂工事中で、画像は少ないです。

薬師寺

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金堂で薬師如来三尊の東京移送のための作業中のお姿を見ることができました。

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唐招提寺(2008年観光バスで)は下の二枚だけですが、2010年に訪れた時には工事も終わっていて、画像も多く貼り付けることができると思います。

2010年についてはあらためて貼り付けたいと思います。

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では、今日はこの辺で。