万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

325.巻四・485~487:崗本天皇の御製一首あわせて短歌

485番歌

訳文

「神代の昔から次々とこの世に生まれ継いできたこととて、広い国土には人がいっぱいに満ちて、まるであじ鴨の群れのように、乱れて行き来するけれど、どの人も私のお慕いするあの方ではないものだから、恋しさに、昼は昼とて暗くなるまで、夜は夜明けまであなたを思いつづけて、眠れないままにとうとう一夜を明かしてしまった。長いこの夜なのに」

書き出し文

「神代より 生(あ)れ継ぎ来れば 人さはに 国には満ちて あぢ群の 騒きは行けど 我が恋ふる 君にしあらねば 昼は 日の暮るるまで 夜は 夜の明くる極み 思ひつつ 寐も寝かてにと 明かしつらくも 長きこの夜を」

長歌形式固定以前の古熊(結句が五・七・七・七)

女性の作らしいが、舒明天皇斉明天皇(女帝)のどちらとも決めがたいと487番歌の左注でいっている。この歌は、元来が舒明天皇への挽歌であったとする説もある。

反歌

486番歌

訳文

「山際をあじ鴨の群れが乱れ飛んで行くが、その声を聞いても私の心は楽しまない。懐かしいあの方ではないから」

書き出し文

「山の端に あぢ群騒き 行くなれど 我れは寂しゑ 君にしあらねば」

長歌の「あぢ群」を実景に転じている。鳥は来るが君は来ない式の逆接による対比は、古代歌謡に多い型。

487番歌

訳文

「近江の鳥籠(とこ)の山裾を流れる不知哉(いさや)川の名ではないが、先のことはいざ知らず、ここしばらくの間は君恋しさに悩みつづけることであろう」

書き出し文

「近江道の 鳥籠の山なる 不知哉川 日(け)のころごろは 恋ひつつもあらむ」

引用した本です。

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今朝も積雪ゼロで、雪かきをしなくてよい穏やかな朝を迎えました。

ブログ更新の後、雪割りと氷割りでもしようと思いますが、雪や氷が柔らかくなるのを待ちます。

道の雪が柔らかくなり、雪かきできる状態になってからです。

道の雪が解け始め、柔らかくなると車や人が難儀しますので。

十時ころかな。

では、今日はこの辺で。