245.巻三・315・316:暮春の月に、吉野の離宮に幸す時に、中納言大伴卿、勅を奉りて作る歌一首あわせて短歌
聖武天皇の神亀天平時代の歌人、大伴旅人、家持のお父さんですね。
315番歌
訳文
「み吉野、この吉野の宮は山そのものがよくて貴いのである、川そのものがよくて清らかなのである。天地とともに長く久しく万代に改らずあることであろう、わが大君の行幸の宮は」
書き出し文
「み吉野の 吉野の宮は 山からし 貴くあらし 水からし さやけくあらし 天地と 長く久しく 万代に 改らずあらむ 幸しの宮」
典拠を踏まえて離宮をほめた新しい讃歌。
山、水は論語の「知者は水を楽しび、仁者は山を楽しぶ」に、「万代に改らず」は聖武即位の宣命に基づくか。
旅人の唯一の長歌。
316番歌
訳文
「昔見た象(さき)の小川を今見ると、ますますさわやかになったことよ」
書き出し文
「昔見し 象の小川を 今見れば いよいよさやけく なりにけるかも」
万葉人にとって、吉野は聖地であり、仙境であり、その風光が愛され数多くの萬葉故地が歌われている。
引用した本です。
象の小川を訪れることはないと思うのです。
で、上の萬葉の旅大和編の椿散る象の小川の美しい写真を見ています。
316番歌の説明文は、犬養氏の本が詳しいです。
今朝は2㎝ほどの積雪でしょうか。
ただ冷え込みが強く、パソコンの部屋も氷点下からやっと2℃になりました。
明日も雪の予報ですが、今のところ数cmでホッとしています。
では、このへんで。