182.巻二・160、161:一書に日はく、天皇崩(かむあが)りましし時の太上天皇の御製歌二首
160番歌
訳文「あの燃えさかる火とて取って包んで袋に入れると言うではないか。御姿を知っているものを、雲よ」
書き出し文
「燃ゆる火も 取りて包みて 袋には 入ると言はずや 面知るを雲(面智男雲)」
第五句:面智男雲(万葉仮名表記)古来難訓。あるいは男雲女雲(白雲と青雲)の称があったか。いずれにせよ次作と合わせて雲に霊魂を包みとどめるべく呼びかけた歌と見える。
「入るとは言はずや面知るを雲」を「入ると言はずやも智男雲」と書き出し文の本も。同じようで違うのかな。
161番歌
訳文
「神山にたなびく雲は、青雲の中の星からも離れ、月をも離れて去っていったことよ」
書き出し文
「神山(かむやま)に たなびく雲の 青雲の 星離れ行き 月を離れて」
神山に:天子南面の思想による。南ニ向クを北とは読めない。「北山に」との書き出し文あり、どちらかな。
万葉仮名では「向南山」、訳文、書き出し文、さらに万葉仮名も記載しないと理解できないかな。
雲の:下の「青雲」に対して白雲か。天皇の雲の所在。
青雲:中国的表現。白雲に対して遥かな広がりあるものとして用いられる。
星:日本人にあまり親しまれていない。星・月には陰陽の思想があろう。
二首とも陰陽師による代作、その思想によるもという。
引用した本です。
今朝も静かな穏やかで、虫の声も聞こえます。
昨日の朝もそうでしたが、昼頃から雨と雷鳴、さらに夜には少し強い雨でした。
予報では久しぶりの晴れの日とか。
では、今日はこの辺で。