万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

171.巻二・146:大宝元年辛丑に、紀伊の国に幸す時に、結び松を見る歌一首

柿本朝臣人麻呂が歌集の中(うち)に出づ

146番歌

訳文

「のちに見ようと皇子が痛ましくも結んでおかれたこの松の梢を、再び見ることがあろうか」

書き出し文

「後見むと 君が結べる 岩代の 小松がうれを またも見むかも

柿本朝臣人麻呂歌集:萬葉集編纂の資料となった私家集の一つ。人麻呂自身の編纂らしいとのこと。

何度でも来て皇子を偲びたいが、皇子同様、もう見られないかもしれないことを嘆いた歌。

小松:「小」は接頭語。背の低いの意ではないとのこと。

またも見むかも:亡き皇子になり代わったかのように、その形見の松を見る心の痛みを述べた表現。「かも」は疑問的詠嘆。

下の本を引用しました。

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では、この辺で。