342.巻四・517・518:大納言兼大将軍大伴卿の歌一首と石川郎女が歌一首
大納言兼大将軍大伴卿:大伴安麻呂。
517番歌
訳文
「罪をこうむるという神木にさえ手はふれるというものを、あなたが人妻だからとて、まだ手をふれぬことよ。心に願いながら」
書き出し文
「神樹(かむき)にも 手は触るといふを うつたへに 人妻と言へば 触れぬものかも」
神樹:神社の神木、神の降臨する木で、触れると神罰があるとされた。
石川郎女:安麻呂の妻。
518番歌
訳文
「春日野の山沿いの道を、恐れつつしむことなく私の所へ通って来られたあなたが、このごろはちっともお見えになりませんね」
書き出し文
「春日野の 山辺の道を 恐りなく 通ひし君が 見えぬころかも」
前歌の神樹に対して、神の社のある春日野の歌が並べられている。
編者の意識的な操作であろう。
神の社があるので、「恐り」と言ったもの。
引用した本です。
昨日は一日曇り空で、雪割り作業を少し行いました。
今日も一日曇りの予報で、夜半に一時雨とか。
では、今日はこの辺で。