万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

252.巻三・328:太宰少弐小野老朝臣(だざいのせうにをののおゆのあそみ)が歌一首

328番歌

訳文

「(おをによし)奈良の都は、咲く花が爛漫と咲き誇るように、今真っ盛りでした」

書き出し文

「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫(にほ)ふがごとく 今盛りなり」

平城京というと、まず想起されるのはこの歌である。

「にほふ」は香りにいうのではなく、花の色が映発する意で、咲く花が美しく咲き誇っているさまをいう。

そのように奈良の都は今真っ盛りだというのである。

しかしながら、この歌は奈良の都(平城京)で作られた歌ではない。

題詞には太宰少弐小野老朝臣(だざいのせうにをののおゆのあそみ)が歌一首とあり、九州太宰府で歌われたものである。

万葉集で奈良の語を持つ歌五十一首、うち奈良の都と続く歌は二十三首。

そのほとんどが奈良以外の地で詠まれたものであり、都への望郷の思いや、恭仁京遷都後の奈良の都の荒廃への嘆きを詠ったものである。

都と鄙の差が大きい古代にあって、豊かな文化にあふれた、壮麗な奈良の都は人々の憧れの地であった。

歌は、都で昇叙され太宰府に戻って来た老を迎えての、昇叙を祝う宴席での歌と思われる。

・・・太宰府官人たちの多くは都から赴任してきている。

都の情報は何より耳にしたい。・・・

昇叙の日三月四日は、太陽暦では四月十日。

にほふがごとく「咲く花」は、桜花だったと思われる。

平城京から太宰府までは十四日の日数を要す。・・・」

だいぶ前に東京への移動時間をもとに作成された日本地図を見たことがあるのです。

当然空港のある場所は東京に近い位置になります。

北海道の奥尻島には空港があり、函館空港で乗り換えたとしても、空港のない場所よりは東京に近いことになります。

万葉時代と比べて、現代の日本は狭くなりましたね。

東京から地方へ赴任や地方大学へ学んだとしても、望郷の念など抱かないのでしょう。

日帰りできるから。

この歌は好きな歌の一つです。

引用した本です。

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今朝は積雪7㎝ほどで、食後に雪かきをし、ブログを記載しました。

寒さにも雪かきにも慣れてきました。

12月に入って新聞の天気予報の覧に、積雪深が記載されるようになり、昨日の小樽のそれは51㎝でした。

では、このへんで。