万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

76.万葉集に詠まれている花(17)ススキ:かや・くさ・すすき・をばな

北大のポプラ並木を11月2日に通院後撮りに行きました。

並木と農場のそばにススキの大きな群落がありました。

少し意外な感じでした、札幌中心部のJR札幌駅北口からすぐの北大校内ですから。

農場越しにススキ、ポプラ並木、北大の建物、高い建物がJR札幌駅周辺のビルです。

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ススキは集中では「をばな」とも「かや」とも呼ばれていたようです。

「すすき」で十七首、「をばな」で十九首、「かや」で十一首、計四十七首詠まれているようです。

ここでは太上天皇(おほきすめらみこと)のお歌を紹介いたします。

巻8・1637です。

「はだすすき尾花逆葺(おばなさかふ)き黒木もち造れる室(むろ)は万代(よろずよ)までに」

「波太須珠寸 尾花逆葺 黒木用 造有室者 迄萬代」

(尾花を逆さに葺き、黒木で造った家は、万代まで栄えるでしょう)

歌の「はだすすき」は、「花ススキ」のことで、尾花と同じものを指しています。

ここでは尾花の枕詞として使われています。

尾花の名前は、ススキの花が動物の尾に似ていることに由来し、「花芒」という名でも親しまれています。

ススキにはもう一つ「カヤ」という呼び名があるようです。

カヤは刈り屋根の意味で、ススキだけでなく屋根を葺くのに用いられる草本の総称といえます。

奈良県三重県の県境に広がる雄大な曽爾(そに)高原には、見渡す限りのススキの原があるようです。

曽爾村の人たちによって、茅葺屋根の材料として、昔ながらの手作業で刈り取ったススキは、県内外の国の文化財などの茅葺屋根に使われているとのことです。

曾禰高原の晩秋を飾る銀一色に輝く尾花の光景は素晴らしいのでしょう。

 

ポプラ並木と農場とJR桑園駅方面

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上の場所から総合博物館のほうを撮る

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ポプラ並木の柵と見学の方々

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農場とススキ群落とポプラ並木と北大の建物

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続きはもう一つのブログ「風景夢譚」に。

表題は「21.霜降末候・楓蔦黄(もみじつたきばむ・ふうかつきなり)」です。