73.万葉集に詠まれている花(15)おもひぐさ(思草):異説リンドウ
今日(2013年10月19日)は朝から気持のよい快晴です。
で、小樽市内の長橋にあるなえぼ公園を久しぶりに訪れました。
園内の白樺並木の黄葉を撮りに訪ねました。
白樺は色づき始めていましたが、盛りでは無いようでした。
園内で葉をほとんど落したナナカマドの真っ赤な実がきれいでした。
この状態で雪が降り積もると一層きれいです。
園内の胡桃やオオカメノキ(ムシカリ)などの紅葉やたぶんズミの赤い実などを撮っていました。
散策路で逢う人も少ないのですが、見知らぬ方から蔓竜胆の赤い実を教えていただきました。
「花の咲くころは見つけずらく、赤い実のころよく観るのです」と教えてくれました。
このご教示がなかったらたぶん見過ごしたことでしょう。
このブログの記載もなかったですね。
ただ、蔓竜胆の花は小樽海岸自然探勝路で撮っていたのではないかと思ったのです。
蔓竜胆は道内では7月下旬から10月に開花するようです。
この時期に散策した探勝路の画像を検索し、探そうと思います。
(本当に撮っているだろうか、勘違いかな)
(2013年10月29日に追記:花ではなく赤い実でした。もう一つのブログ「風景の日記」の2007年11月10日の記載に)
道内ではほかに蝦夷竜胆、横山竜胆、細葉竜胆、立山竜胆、利尻竜胆、深山竜胆、筆竜胆など生息しているようです。
竜胆って多くの仲間がいるのですね。
本州などほかの地方での笹竜胆、朝熊竜胆、筑紫竜胆などの名前も知りました。
切り花用として多く出回っているのは、蝦夷竜胆がさまざまに改良されたもののようです。
竜胆の仲間は、世界中の温帯や山岳地帯に約三百種が知られているのだそうです。
日本でも地方地方に特色のある品種があるようですが、関西周辺のいわゆるリンドウと呼ぶ種が普通のようで、秋が深まると淡い紫色の美しい花を開くとか、撮ってみたいですね。
奈良大和路で。
万葉集に竜胆は詠まれているのだろうか。
詠まれているのですが、ただ一首。
しかも通説・定説ではなく、異説の一つとして。
巻十に春の雑歌、春の相聞、夏の雑歌、夏の相聞、秋の雑歌、秋の相聞、冬の雑歌、冬の相聞と題して詠まれた歌として登場する五百三十八首のうち、「秋の相聞」<草に寄す>に出てくる歌です。
巻十・二二七〇の歌です。
「道の辺の尾花が下の思い草今さらさらに何をか思はむ」
詠み人知らず(未詳)
「道邊之 乎花我下之 思草 今更尓 何物可将念」
(道端の尾花の陰の思い草のように、今更に何を思い迷おうか。吉野江美子氏)
(道のほとりの、尾花の根もとに咲く思い草が何かを思っているように、今さら恋の思いに苦しむのでしょうか。 大貫 茂氏)
(道のかたわらのススキの根元に、そっと寄りそって咲く、あのしおらしい思草のように、私はあなたお一人を頼りに思っております。今さらどんなことがありましょうとも、何も思い迷うことはありません。ねえあなた。西川廉行氏:と長年の恋に、いよいよ決断をつけた時の歌でしょうか)
思い草の通説・定説はナンバンギセルのようです。
来年は花を撮ってみたいですね。
園内で水芭蕉を撮りました。
来春開花の個体でしょうか。
園の近くで林檎を見つけました。
野鳥のための林檎だそうです。
ジャムにするとおいしそう。
園の事務所前にかっこのいいバイクが白樺をバックに置いてありました。
徒歩と市電(札幌)・バス(中央バス、JRバス、ニセコバス)・JR北海道が移動の手段、自動車の免許証は身分証明書替わり、もう十二年ほど運転をしていないですね。
(運転を止めた半年くらいは不便だなと中毒症状が出ましたが、今は万歩計をつけて歩くのが楽しいです)