329.巻四・492~495:田部忌寸檪子(たべのいみきいちひこ)、太宰に任(ま)けらゆる時の歌四首
田部忌寸檪子:伝不詳、忌寸は、渡来人の家系に多い姓。
492番歌
訳文
「着物の袖に縋って泣く子よりもっとお慕いしている私を、後に残してどうなさるつもりなの」
書き出し文
「衣手に 取りとどこほり 泣く子にも まされる我れを 置きていかにせむ」舎人吉年(女性)
以下四首のうち、前二首は別れに臨んでの歌で、後二首が別れた後の歌。作者を女・男・男・女の順序にして一群を構成している。
493番歌
訳文
「後に残して行ったらあなたは恋しがることだろうな。ひとり空しく黒髪を敷いて、長いこの夜を」
書き出し文
「置きていなば 妹恋ひむかも 敷栲の 黒髪敷きて 長きこの夜を」田部忌寸檪子
黒髪敷きて:女の独り寝の姿。
494番歌
訳文
「あなたを私に引き合わせた人をこそ、別れ別れになって恋心の募る今は、かえって恨めしく思う」
書き出し文
「我妹子を 相知らしめし 人をこそ 恋のまされば 恨めしみ思へ」
495番歌
訳文
「朝日に映える山の端に残る月のように、見飽きることなく懐かしいあなたを、月が山に入って見えなくなるように山の向こうに置いてしまって・・・・・」
書き出し文
「朝日影 にほへる山に 照る月の 飽かざる君を 山越しに置きて」
満たされない気持を、言いさした形で表現した。山向うの異郷に人を置くことは大きな断絶感を与えた。
引用した本です。
さむさわやわらいでいませんが、
今朝の寒さはやわらいでいませんが、晴れの天気です。
予報では7℃ほどの最高気温になるとか。
昨日より5℃ほど高いです。
また、家の前の氷割作業を行います。
昨日読み終えた本です。
では、今日はこの辺で。