万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

295.巻三・408:大伴宿禰家持、同じき坂上家の大嬢に贈る歌一首

408番歌

訳文

「あなたがなでしこの、その花であったらなあ。毎朝毎朝、手に取りもって愛でいつくしまない日はないだろうに」

書き出し文

「なでしこが その花にもが 朝(あさ)な朝(さ)な 手に取り持ちて 恋ひぬ日なけむ」

なでしこに寄せて熱愛する気持を述べ、美女の面影が写る歌でもあります。

なでしこ:かわらなでしこ、「撫でし子」の意で女性に譬えることが多い。特に家持に愛用された素材。

花にもが:「AもがBむ」という型で用いられ、本当に希求するBの実現のためにまずAを希求する表現。

このブログでは、61.万葉集に詠まれている花(11)なでしこ(464、1538、4114番歌)と90.万葉集に詠まれている花(24)なでしこ(408、1992、4451番歌)で、六首を紹介しています。

なでしこは集中26首詠まれていて、そのうち11首が家持の歌です。

集中最初の「なでしこ」の歌が408番歌です。

また、山上憶良秋の七草の歌(1538番歌)も有名ですね。

下の90.から61.を訪ねてみてください。

souenn32.hatenablog.jp

引用っした本です。

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今朝も積雪ゼロ、寒さ厳しい朝が続きます。

では、今日はこの辺で。