万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

239.巻三・307、308、309:博通法師、紀伊の国に行き、三穂の石室(いはや)を見て作る歌三首

紀伊の国の歌は、行幸歌ばかりでなく、旅行く者が耳にした伝説も歌われている。

たとえば、博通法師(伝未詳)という僧侶は、三穂(日高郡美浜町三尾)を訪れた時、その地に伝わる伝説を歌った三首です。

307番歌

訳文

「(はだすすき)久米の若子がいたという三穂の岩屋は、見ても見ても見飽きることがない」

書き出し文

「はだすすき 久米の若子が いましける 三穂の岩屋は 

見れど飽かぬかも」

308番歌

訳文

「巨岩のような岩屋は今もあるけれど、この岩屋に住んでいた人は不死ではなかった」

書き出し文

常磐(ときは)なす 岩屋は今も ありけれど 住みける人ぞ 常なかりける」

309番歌

訳文

「岩屋の戸口にずっと立っている松の木よ。お前を見ると、昔の人に逢っているような気がする」

書き出し文

「岩屋戸に 立てる松の木 汝を見れば 昔の人を 相見るごとし」

若子:本来幼年の男子の称であるが、ここは、伝説上の若者を指す。岩屋に住んでいたが、彼が仙人であったのか、罪を得て流されたのか、それとも、まったく別の理由によるのか、今となっては知る由もbない。

引用した本です。

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次回の記載は、11月27日の予定です。

では今日はこの辺で。