万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

69.自然を詠んだ歌(4)黄葉・紅葉

昨日(2013年9月11日)の道新朝刊に「満点秋色染まる黒岳」と見出しの「日本一早い紅葉」で知られる大雪山山系の記事がありました。

「もう紅葉が始まったのか」と毎年道新の記事で知ります。

これから里へと黄葉・紅葉前線は降りてくるのでしょう。

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万葉集に紅葉は何首詠まれているのだろう。

と、記事を読みながら思いました。

手持ちの数少ない本を調べるとどうやら百三十七首詠まれていて、多くの歌が詠まれていました。

奈良・京都の美しい紅葉から万葉びともきれいな紅葉を愛でて多くの歌を詠んだのだと思いました。

ただ、意外だったのは百三十七首中紅葉と思われる紅葉、赤葉、赤の文字を使用し、紅葉と思われるのは五首のみとか。

それ以外は黄葉の文字を使われたものか、「色づく」「もみつ」などと表現されたものばかりといいます。

紅葉を使った歌は秋の雑歌に収められている巻10・2201の歌一首です。

「妹がりと馬に鞍置きて生駒山うち越え来れば黄葉散りつつ」

(妻のもとへと、馬に鞍を置いて生駒山を越えて来ると、黄葉が散りつづけることだ 中西進氏)

(妻のもとへと、馬に鞍を置いて生駒山を越えて来ると、山ではもみじがしきりに散っている)

「妹許跡 馬桉置而 射駒山 撃越来者 紅葉散筒」

歌の生駒山から、柏原市にまたがる「立田」は紅葉の名勝地で、立田の風神も祀られていて、風の神よ紅葉を散らさないで欲しいと願ってのものであるという。

京都や奈良の紅葉と言ったら鮮やかで、素晴らしいなと憧れるのです。

平安時代初め頃まで和歌に詠まれたのはもっら黄葉で、万葉のころは、紅葉する今の改良種イロハモミジ高雄モミジ)はまだなく、野生種のオオモミジが主であったらしい。

きれいな紅葉は家の周りには見られないので、2002年10月に日光で撮った画像を貼り付けます。

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今年訪ねた京都東山の法然院の紅葉もきれいなのでしょう。

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参考にした本です。

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裏山の黄葉です。

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裏山では紅葉は少なく、黄葉が多いようです。

京都旅行のおり龍安寺で求めた地蔵様です。

龍安寺の紅葉をはじめ、京都には紅葉のきれいな場所が多いのでしょう。

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ブログ「風景夢譚」に9.白露次候:鶺鴒鳴(せきれいなく)を記載しました。

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