万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

525.巻六・981~983:大伴坂上郎女の月の歌三首

981番歌

訳文

「獦(かり)高の高円山が高いから、出で来る月もなかなか照らないのだろうかなあ」

読み下し文

「獦(かり)高の高円山を高みかも出で来る月の遅く照るらむ」

982番歌

訳文

「暗い夜の霧がたって、ぼんやりと照っている月は、目をとめると、悲しいことよ」

読み下し文

「ぬばたまの夜霧の立ちておほほしく照れる月夜(つくよ)の見れば悲しさ」

983番歌

訳文

「山の端にいさようささらえ壮士よ、天空を渡っていくお前の光こそ見ると美しいことだ」

読み下し文

「山の端のささらえ壮士(をとこ)天の原と渡る光見らくしよしも」

右の一首の歌は、あるいは「月の別名を「ささらえ男」という。このことばによってこの歌を作った」ともいう。

引用した本です。

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前にも記載押しているのですが、集中月を詠んだ歌は二百首近いようです。

引用した本は、下の左の本です。

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「・・・数が多いだけに使われている呼称は月、月夜、朝月夜、暮月夜、夕月夜、暁月夜、若月(三日月)、望月(満月)、居待月、月読壮士など多彩である。額田王の巻一の8番歌、大伴家持の巻六の994番歌の二首が月の代表的な歌である」

では、今日はこの辺で。