516.巻六・967・968:大納言大伴卿が和ふる歌二首
前の965番と966番歌に和ふる歌です。
967番歌
訳文
「大和へ行く道すじの、吉備の児島を通る時には、筑紫娘子の児島のことが思い出されるであろうな」
書き出し文
「大和道の 吉備の児島を 過ぎて行かば 筑紫の児島 思ほえむかも」
「大和道」の語を承けて966番歌に和した歌。地名児島に人名児島を連想するすると述べて、遊女児島への惜別の思いを歌ったもの。
968番歌
訳文
「ますらおだと思っているこの私が、別れに堪えかねて水城の堤の上で女々しくも涙を拭ったりしていいものか」
書き出し文
「ますらをと 思へる我れや 水茎の 水城の上に 涙拭(なみたのご)はむ」
965番歌に和した歌。965番歌で旅人を貴人と考えているのを承けて、みずからを「ますらを」とした。ますらおらしくない自分の行為をますらおの自負と対照させ、矛盾として述べることで、惜別の情を前歌よりもいっそう強く表したもの。
いつもの本を引用しました。
雪はちらついたのですが、まだ積もっていません。
初雪らしく、積もるのはいつだろうか。
雪が降り、積もり、消えを繰り返して、積もった雪が消えず、根雪となります。
根雪となると雪かきに追われ、ブログの更新が遅れます。
ブログの更新がない時は、雪かきに追われている時です。
ただ、今回のブログ更新の遅れは、違います。
では、今日はこの辺で。