482.巻五・沈痾自哀文(ちんあじあいぶん)山上憶良(八の六)
沈痾自哀文(八の六)の訳文
「帛公略説(はくこうりゃくせつ)に「伏して思い自ら励ますのは長生をしようがためである。生は貪り願うべきだし、死は恐れるべきだ」とある。天地の最大の福徳を生という。だから、死んだ人間は生きている鼠にも及ばない。たとえ王者諸侯であっても、一旦息を引きとったら、金が山のように積んであっても誰が裕福だと思おうか、威勢が海のように広がっていても誰が高貴だと思おうか。遊仙窟には「黄泉界の人は一文の値打ちもない」とある。孔子も「天から授かって気ままに変えられぬものは形、運命として授かって勝手に増すことのできぬものは寿命だ」といっている<鬼谷先生の相人書に見える>。よって、生の極めて貴く、命の至って重いものであることがわかる。言おうと思っても言葉に窮する、何と言ったらよいのか思いめぐらそうとしても思いに余る、何と思いめぐらしたらよいのか」
引用した本です。
中宮寺で購入
二月堂で購入
白毫寺で
では、今日はこの辺で。