万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

477.巻五・沈痾自哀文(ちんあじあいぶん)山上憶良(八の一)

(八の一):長文ですの八分割しました。なお、歌ではないので、書き下し文は省略します。

沈痾自哀文:病いに沈み自ら悲しむ文。後の「俗道・・・」の漢詩文、「老身に・・・」の倭歌と三部作をなす。

訳文

「ひそかに思うに、朝夕山野で狩をして食べている者さえ、なおかつ禍いもなく世を過すことができるし<常に弓矢を手に取り、月に六日の禁猟日も避けずに、めぐり逢った鳥獣の大小も、孕んでいるいないのも、委細構わず殺して食べる、こんなことをして生活している者のことをいう>、昼夜河海で魚を獲っている者でさえ、なおかつ幸せに恵まれて生きていくことができる<漁夫や海女がそれぞれ業に励んで、男は竹竿を手に持って巧みに波浪の上で釣をし、女は鑿(のみ)や籠を腰に着け深い水底に潜って魚貝を獲る。そんな人のことをいう>。いうまでもなく、私は母の胎内を出てこの方、自ら修業して善行を積もうとする志を持ち、ついぞ悪事をなそうという心を抱いたことがない<仏典の教え「諸悪をなすなかれ、諸善を行え」によく従うことをいう>。だから、仏・法・僧の三宝を礼拝し、一日も怠けたことはなく<毎日誦経(ずきょう)し、自ら罪過を現わして悔い改めることをいう>、また諸神を敬い重んじて、一夜たりとも怠ったことはない<天地の諸神を敬い拝むことをいう>。ああ恥ずかしい、私はどんな罪過を犯した報いでこんな重い病いに襲われることになったのか<過去に造った罪なのか、今現に犯している過ちなのかはわからないが、罪過を犯すことがなかったらどうしてこんな病いにとりつかれたりしようか、という意である>。」

引用した本です。

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では、今日はこの辺で。

次回の記載は、2018年10月1日を予定しています。