万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

451.巻五・815~846:梅花の歌三十二首あわせて序(六の五:835~840番歌)

835番歌

訳文

「春になったらぜひ逢いたいと思っていた梅の花だが、この花に今日のこの宴で、皆してめぐり逢うことができた」

書き下し文

「春さらば 逢はむと思ひし 梅の花 今日の遊びに 相見つるかも」薬師高氏義通

836番歌

訳文

梅の花をてんでに手折り髪にかざしていくら遊んでも、なお満ち足りることがない日とは、今日のこの日であったのだ」

書き下し文

梅の花 手折りかざして 遊べども 飽き足らぬ日は 今日にしありけり」陰陽師磯氏法麻呂

837番歌

訳文

「春の野で鳴く鶯を手なずけようとして、この我らの園に梅の花が咲いている」

書き下し文

「春の野に 鳴くやうぐひす なつけむと 我が家の園に 梅が花咲く」算師志氏大道

838番歌

訳文

梅の花の入り乱れて散る岡辺には鶯がしきりに鳴いている。今はすっかり春の時節を迎えて」

書き下し文

梅の花 散り乱ひたる 岡びには うぐいす鳴くも 春かたまけて」大隅目榎氏麻呂

839番歌

訳文

「春の野に霧が立ちこめ、あれは降る雪かと誰もが見粉うほどに、この園に梅の花が散っている」

書き下し文

「春の野に 霧立ちわたり 降る雪と 人の見るまで 梅の花散る」

840番歌

訳文

「春柳、この柳の蘰に插そうと、みんながせっかく手折った梅の花、いったい誰が浮かべたのか。めぐる盃の上に」

書き下し文

「春柳 かづらに折りし 梅の花 誰れか浮かべし 酒杯の上に」壱岐目村氏彼方

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では、今日はこの辺で。