万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

406.巻四・697~699:大伴宿禰像見(かたみ)が歌三首

697番歌

訳文

「私に聞えよがしに言って下さいますな。耳に入るその名は、私がちぢに乱れて思いつづけている、まさにその人なのですよ」

書き下し文

「我が聞に 懸けてな言ひそ 刈り薦(こも)の 乱れて思ふ 君が直香(ただか)ぞ」

女の立場に立つ歌。名を聞いただけで胸のうずく恋心を、第三者に訴える形で述べた。

我が聞に懸けて:局外者の発言を、自分に聞かせようとして言ったと取りなしたもの。

刈り薦(こも)の:乱れるの枕詞。

直香:その人自身の意か。

698番歌

訳文

「春日野に朝立ちこめている雲が次第に濃くなるように、しきりに恋しさが募る一方です。月日がたつにつれてだんだんと」

書き下し文

「春日野に 朝居る雲の しくしくに 我れは恋ひます 月に日に異(け)に」

699番歌

訳文

「一つの瀬で千度も妨げられは砕け散って流れ行く水がやがて一つになるように、将来きっとお逢いしましょう。邪魔の多い今はともかくとして」

書き下し文

「一瀬には 千(ち)たび障(さわ)らひ 行く水の 後にも逢はむ 今にあらずとも」

引用した本です。

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寒い朝ですが、ストーブを焚くほどでまありません。

6月15日に百合が原公園温室の売店でイトハユリとコマユリを購入しました。

では、今日はこの辺で。