万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

391.巻四・653・654・655:大伴宿禰駿河麻呂が歌三首

653番歌

訳文

「心では忘れることでないのに、思いのほかにお逢いしないままでずるずると一月もたってしまいました」

書き下し文

「心には 忘れぬものを たまさかに 見ぬ日さまねく 月ぞ経にける」

一月も訪れなかったという大げさな形で無沙汰をわびる挨拶の歌。本当の相手は二嬢であろう。

たまさか:予期せず。偶然に。

さまねく:同じ状態が一線に広がっているさまをいう語。

654番歌

訳文

「お逢いしてからまだ一月もたたないのに、恋しいと言ったら、この私をせっかち奴だと思われるでしょうかね」

書き下し文

「相見ては 月も経なくに 恋ふと言はば をそろと我れを 思ほさむかも」

逢いに行かなかった言いわけをこんな形で表した。

をそろ:軽率なさまをいう語。

655番歌

訳文

「あなたをおもっていもしないのに、口先だけで思っていると言ったとしたら、天地の神々が何もかもお神遠しででしょう。邑礼左変」

書き下し文

「思はぬを 思ふと言はば 天地の 神も知らさむ 邑礼左変」

二心がないと神かけて誓う歌。

類歌561番歌、3100番歌と等しい内容が第四句までにこめられ、末句に独自の意味が盛られているらしいが、この句、定訓がない。

引用した本です。

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裏山の谷空木:2018年5月27日撮影

そろそろ開花ですね。

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今日の予報は、昼頃と夜半に小雨のようですが、気温は高めで最高気温20℃になるかも。

では、今日はこの辺で。