万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

388.巻四・646~649:四首は、大伴宿禰駿河麻呂が身内の坂上郎女と恋人同士を装った贈答。

大伴宿禰駿河麻呂が歌一首

646番歌

訳文

「ひとかどの男が思い焦がれ、意気消沈して何度もつく深いため息を、あなたは自分のせいだとも思わないのですかね」

書き出し文

「ますらをの 思ひわびつつ たび数多(まね)く 嘆くなげきを 負はぬものかも」

大伴坂上郎女が歌一首

647番歌

訳文

「心の中ではあなたを忘れるほどでなく思いつづけていますものの、とかく人の噂の絶えないあなたですからね」

書き出し文

「心には 忘るる日なく 思へども 人の言こそ 繁き君にあれ」

前歌に答えて軽くすねて見せた歌。

大伴宿禰駿河麻呂が歌一首

648番歌

訳文

「お目にかからないままずいぶん日数がたってしまいました。このごろはどうです、お変わりありませんか。お案じ申します、あなた」

書き出し文

「相見ずて 日長くなりぬ このころは いかに幸(さき)くや いふかし我妹」

幸く:無事に、の意。挨拶後。

いふかし:様子のわからない不安の気持を表す語。

大伴坂上郎女が歌一首

649番歌

訳文

「まるで夏の葛のつるのようにひっきりなしに来たお使いがしばらくとだえたので、もしや何かあったかと心配していましたよ」

書き出し文

「夏葛の 絶えぬ使の よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも」

右(↑)、坂上郎女は佐保大納言卿が女(むすめ)なり。

駿河麻呂は、この高市大郷が孫なり。両郷は兄弟の家、女と孫とは姑姪(をばをひ)の族(うがら)なり。ここをもちて、歌を題して送り答へ、起居を相聞す。

以上の四首、二嬢(おといらつめ)を裏に置いた歌とみる説もある。

夏葛の:「絶えぬ」の枕詞。夏に葛のつるがどこまでも延びていく意でかかる。

事:恋歌では男女の交情を邪魔する事態を表す。

引用した本です。

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今日は最高気温が20℃を超えるかもしれないと期待できます。

昨日は一時ストーブ焚きました。

では、今日はこの辺で。

昨日(2018年5月26日)、家の裏山で撮った画像を貼り付けます。

大甘野老

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舞鶴

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蝦夷の小林檎

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 少し暖かくなってほしい。