万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

385.巻四・629・630:大伴四綱(おおとものよつな)が宴席歌一首と佐伯宿禰赤麻呂が一首

629番歌

訳文

「どんなつもりで使いなんかよこすの。何をおいてもあなたをこそ、今や遅しと待ちかねているのです」

書き出し文

「何すとか 使の来つる 君をこそ かにもかくにも 待ちかてにすれ」

前歌(628番歌)の「かにもかくにも」の意味を転機させながら、同席の四綱が娘子の立場で報いた歌。

630番歌

訳文

「初花が散るように、あなたのような若い女はすぐ人妻となりそうで気が気ではないけれど、人の噂がうるさいので、ためらっているこの頃なのだ」

書き出し文

「初花の 散るべきものを 人言の 繁きによりて よどむころかも」

以外にも積極的に出てきた前歌に応じて、逆にわざと尻ごみして見せた歌。

初花の:「散る」の枕詞のように用いられ、「白髪」男に対して男を知らぬ若い女性の譬喩にもなっている。

引用した本です。

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昨日(2018年5月23日)は曇り空の一日で、最高気温が25℃をこえるとの予報でした。

予報のように25℃を少しこえ、二日続きの夏日となりました。

暖かい日が続き、庭の黒百合が昨日から咲き始めました。

北海道と本州中部の高山地方に自生する花ですが、釧路に住んでいた時に北海道東部の野付半島で大群落を見て、魅せられました。

小樽に移り住んでから、北大の構内でも咲いているのを見ています。

石川県の県花のようなのですが、伝説や歌によく登場するようです。

アイヌでは恋の花として知られているようです。

ユリ科ですが、ユリ属ではないようです。

ホームセンターや園芸店で購入して、庭に移植した花は今年も咲いてくれました。

庭の春を告げる花の一つですが、夏日になるころに咲くので、初夏の花でもあるようです。

その花を昨日撮ったので、貼り付けます。

まだ、開花前の個体が多いです。

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花の数が異なり、気にはならないのですが、花には悪臭が少しあるようです。

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万葉集に詠まれているか、数少ない蔵書を調べたのですが、詠まれていないようです。

日本固有種と思うのですが、白根葵と同じ固有種でありながら、両種とも詠まれていません。

万葉人に縁がなかったかな。

万葉人が白根葵や黒百合の群落を見て、どのような歌を詠んだか興味のあるところです。

では、今日はこの辺で。