379.巻四・621・622:西海道節度使判官(さいかいどうせつどしのじょう)、佐伯宿禰東人が妻、夫の君に贈る歌一首と佐伯宿禰東人が和ふる歌一首
西海道節度使判官:全国を畿内と七道に分けた行政区域の一つで、壹岐・対馬を含む九州全土の地方監察官の三等官。
佐伯宿禰東人:経歴以外未詳。
621番歌
訳文
「やむ時もなく、あなたを恋いつづけているためでありましょうか。旅に出ているあなたの姿が夢に見えます」
書き出し文
「間(あいだ)なく 恋ふれにかあらむ 草枕 旅なる君が 夢にし見ゆる」
自分が思うと相手を夢に見るという俗信を踏まえて恋心を訴える歌。
622番歌
訳文
「旅に出て日数を重ねたのだもの、私はお前のことしか思っていないのだがなあ。そんなに恋しがるなよ、お前」
書き出し文
「草枕 旅に久しく なりぬれば 汝をこそ思へ な恋ひそ我妹」
ことさらに、お前以外に思う人はいないと答えたのは、旅先の浮気を隠そうとする弱みがあるためか。
引用した本です。
昨日裏山で撮った大甘野老(おおあまどころ)を貼り付けます。
北海道と本州北部に分布しています。
本州、四国、九州には甘野老と山甘野老が分布しているようです。
アマドコロの変種が大甘野老と山甘野老です。
引用した本で、表紙は福寿草です。
万葉植物名「にこぐさ」は、ハコネソウ(イノモトソウ科)かアマドコロ(ユリ科)と考えられているようでが、特定は難しいようで、特定の草名なのかは未詳です。
古名に「はこねしだ」「あまどころ」があるとのことです。
引用した本です。
集中四首詠まれています。
にこぐさは、アマドコロの変種のオオアマドコロと勝手に決めています。
本でもアマドコロの写真を載せていますので。
では、今日はこの辺で。