358.巻四・557・558:土師宿禰水道(みみち)、筑紫より京に上る海道にして作る歌二首
557番歌
訳文
「大船をはやりにはやって漕ぎ進めているうちに、岩に触れ転覆するならしてもよい。あの子に早く逢えるなら」
書き出し文
「大船を 漕ぎの進みに 岩に触れ 覆(か)らば覆れ 妹によりては」
558番歌
訳文
「これほど海が荒れるのなら、安全を願って神の社に私が捧げた幣(ぬき)は返していただきましょう。これでは懐かしいあの子に逢えもしないのに」
書き出し文
「つはやぶる 神の社に 我が懸けし 幣は賜らむ 妹に逢はなくに」
海路の困難さを踏まえた歌。一刻も早く帰りたい気持を神にぶつける形で、妹を思う心の激しさを示したもの。
引用した本です。
今日も良い天気になりそうです。
では、この辺で。