347.巻四・532・533:大伴宿奈麻呂宿禰が歌二首
532番歌
訳文
「宮仕えのために出て行くあなたがいとしくてしかたがないので、引き留めると心苦しいし、かといって行かせるのはやりきれない」
書き出し文
「うちひさす 宮に行く子を ま悲しみ 留むれば苦し 遣ればすべなし」聖武天皇の難波宮へ宮仕えに出かける女性を送る歌であろう。
うちひさす:宮の枕詞
533番歌
訳文
「難波の海の干潟に残る潮だまりのさまは、見飽きることのないほど心ひかれるが、難波にいる人なら心ゆくまで眺められるあの子なのに、私にはその機会がなくて羨ましい」
書き出し文
「難波潟 潮干(しほひ)のなごり 飽くまでに 人の見む子を 我れし羨(とも)ましも」
かって眺めた難波の佳景に重ねて、今その地にいる恋人を思う気持を述べた歌。
引用した本です。
今朝は晴れ、昼には時々雨とか。
昨日の雪がまだ残っています。
では、今日はこの辺で。