346.巻四・530・531:天皇(すめらみこと)、海上女王(うなかみのおほきみ)に賜ふ御歌一首と海上女王が和へ奉る歌一首
530番歌
訳文
「うっかりすると元気な赤馬が越えて逃げる馬柵(ませ)を結い固めるように、私のものと標(しめ)を結って固めておいたあなたの心には、なんの疑いもない」
書き出し文
「赤駒の 越ゆる馬柵の 標結ひし 妹が心は 疑ひもなし」
馬柵:馬屋や牧場で馬が逃げないようにめぐらした柵。
531番歌
訳文
「魔除けに梓弓を爪引く夜の弦打(つるうち)の音が遠く聞こえますが、そのように遠くから聞こえる噂にでも君の行幸があると伺うのは嬉しいことでございます」
書き出し文
「梓弓 爪引く夜音(よと)の 遠音(とほと)にも 君が御幸を 聞かしよしも」
前歌が行幸時の歌なので、それを自分の所への行幸と見なして和した歌。
爪引く夜音:夜の御座所警護の者が、魔除けに弦をはじいて鳴らす音。後には天皇の入浴や、皇子誕生の際に行われた。
引用した本です。
今朝は、7㎝ほどの積雪でした。
今日の最高気温が8℃とか、で、淡雪かな。
では、今日はこの辺で。