343.巻四・519・520:大伴郎女が歌一首と後の人の追同する歌
大伴郎女:伝未詳。後に大伴旅人の妻になった女性とする説もある。
追同:時がたってから前歌に唱和する意。編者が唱和したものであろう。
519番歌
訳文
「雨を口実にしては、いつも家に籠っていて、おいで下さらないあなたは、ゆうべ来られた時に降った雨に懲りて、もう来て下さらないのではありますまいか」
書き出し文
「雨障(あめつつ)み 常する君は ひさかたの きぞの夜の雨に 懲りにけむかも」
雨障(あめつつ)み:雨を忌み嫌って家に籠ること。
ひさかたの:雨
の枕詞。
520番歌
訳文
「雨でも降ってくれないものか。降りこめられるのを口実に、あなたのおそばに寄り添ったままで、この一日を暮らそう物を」
書き出し文
「ひさかたの 雨も降らぬか 雨障(あめつつ)み 君にたぎひて この日暮らさむ」
雨障みを都合の悪いことの口実と見る前歌に対して、今逢っている相手と離れないための嬉しい口実と取りなす形で唱和した歌。
引用した本です。
昨日は、晴れたり曇ったりの天気で、午前に雪割り作業を少しと庭の落ち葉を拾っていました。
雪解けが進んだ庭は一年で一番汚れている時期です。
では、今日はこの辺で。