294.巻三・407:大伴宿禰駿河、同じき坂上家の二嬢(おといらつめ)を娉(つまど)ふ歌
二嬢(おといらつめ):大伴宿禰宿奈麻呂と坂上郎女との次女。
407番歌
訳文
「(春霞)春日の里植え小水葱(こなぎ)は、まだ苗だと聞きましたが、もう葉柄は伸びたことでしょう」
書き出し文
「春霞春日の里の植ゑ小水葱 苗なりと言ひし柄はさしにけむ」
集中「なぎ」が一首(巻十六・3829番歌)、「こなぎ」が三首(巻三・407番歌、巻十四・3576番歌、もう一首不明、探し次第記載します)
家持の妻の妹を正式の妻にしたいと願い贈ったものです。
婚を求められる時に、あどけない童女から女性に成長したであろう様を「こなぎの苗の伸び」と譬えられたのでは、女性としてはあまり嬉しくなく少し下品な気がします。
「なぎ」はミズアオイのことで、「こなぎ」はその小形のものです。
古名の「なぎ」は、菜葱などの字を当て食用としました。
水葱として詠み込んだ歌が巻十六・3829にあり、「ひる」の項で取り上げています。
葉を食用としていたと思われます。
引用した本です。
参考にした本です。
今朝も積雪ゼロでしたが、風が冷たく吹いています。
花咲く春が待ちどうしいです。
では、今日はこの辺で。