万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

268.巻三・366・367:角鹿(つのが)の津にして舟に乗る時に、笠朝臣金村が作る歌一首あわせて短歌

角鹿(つのが)の津:敦賀の港

366番歌

訳文

「越の海の敦賀の浜から、大船に左右の梶をいっぱい取り付け、(いさなとり)海路に出てあえぎながら私が漕いで行くと、(ますらをの)手結の浦で海人娘子が塩を焼いている煙が見えるが、(草枕)旅先なので一人では見る甲斐がなく、海の神様が手に巻いておられる玉ではないが、(たまだすき)心にかけて偲んだことだ、故郷大和にいる家人を」

書き出し文

「越の海の 角鹿の浜ゆ 大舟に ま梶貫き下ろし いさなとり 海路に出でて あへきつつ 我が漕ぎ行けば ますらをの 手結(たゆひ)が浦に 海人娘子(あまをとめ) 塩焼く煙 草枕 旅にしあれば ひとりして 見る験(しるし)なみ 海神(わたつみ)の 手に巻かしたる 玉だすき かけて偲ひつ 大和島根を

反歌(367番歌)

訳文

「越の海の手結が浦を、旅にあって見ると心惹かれて、大和の家人を思い遣った」

書き出し文

「越の海の 手結が浦を 旅にして 見ればともしみ 大和偲ひつ」

引用した本には「・・・角鹿の塩が天皇の食用となった話」を伝える。そして「手結が浦の海人娘子の焼く塩は、その角鹿の塩である」とあります。

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今朝は久しぶりに積雪ゼロ。

でも、屋根から落ちた雪の排雪作業に追われました。

降っても降らなくても体を動かし、心地よい汗をかきかました。

では、このへんで。