260.巻三・351:沙弥満誓(さみまんざい)が歌一首
351番歌
訳文
「世の中を何に譬えたらよいだろう。それは、朝早く漕いで出て行った船が、跡に何も残さないようにはかないものだ」
書き出し文
「世の中を 何に譬へむ 朝開き 漕ぎ去にし船の 跡なきがごと」
自問自答の形で、この世の常なきさまを詠んだ歌。讃酒歌(338番から350番歌)の347~349番歌を承けて歌ったものか。
朝開き:船が早朝の港をおし開くように船出すること
跡なきがごと:航跡がすぐ消え失せることをいう。唐の宋乃問の詩に「帆過ギテ浪ニ痕無シ」(江亭晩望)とある。
引用した本です。
今朝は軽い雪かきで済みました。
では、このへんで。