256.巻三・337:山上憶良臣(おみ)、宴を罷る歌一首
罷る:貴人(ここは旅人)のもとから退出する意
337番歌
訳文
「憶良めは今はお暇致しましょう。子が泣いているでしょう。きっとその子の母も私を待っているでしょうよ」
書き出し文
「憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ それその母も 吾を待つらむそ」
引用した本に、「宴を中座するときの歌か。
お開きの歌かは、説の分かれるところ。
しかし座を盛り上げる宴会芸であることは動かないだろう。
冒頭から自分の名前を読み込む歌など極めてまれで、それだけで充分な諧謔である。
しかも子守に帰るのだと言う。
憶良は七十歳前後であるから、泣きわめくような幼児がいるとすれば、いわゆる恥かきっ子である。
そして、自分の妻をその子の母と呼ぶところも、恐妻家を演じていることを思わせる。
「世間の住み難きを哀しぶる歌」(巻五・804、805番歌)や「貧窮問答歌」(892、893番歌)「沈痾自哀文」などにも見られる自己の戯画化で、ユーモリスト憶良の一面をよく表す。
無論、子を中心に歌っているところも憶良ならではある。
「らむ」の反復、「それその」(「それ」は漢文の発語の訓読に倣った強調)といった歌の呼吸も楽しい」と。
大好きな歌の一つです。
今朝は、予報どうりであれば10~20㎝の積雪ですが、2㎝ほどの積雪。
ホッとして、朝食前に運動代わりの軽い雪かきでした。
ただ、予報では今日の午後吹雪模様で、明日朝はかなりの積雪かな。
また外れないかな。
かなりの雪が積もると明日の記載が遅れます。
では、このへんで。