251.巻三・327:或る娘子ら、裏(つつ)める乾し鰒を贈りて、戯(たはぶ)れて通観僧の呪願(しゅぐわん)を請ふ時に、通観が作る歌一首
通観:伝未詳、353番歌にも歌があります。
327番歌
訳文
「たとえ海の神います沖へ持って行って放したとしても、どうしてこんなものが二度と生き返りましょうや」
娘たちのからかいに対して、海のものであるあわびを生き返らすことは、海神の力でもだめなのだから、まして私にはとても、と答えた歌。
書き出し文
「海神(わたつみ)の 沖に持ち行きて 放つとも うれむぞこれが よみがへりなむ」
万葉集に詠まれている貝を取りまとめて、「万葉集の貝」として下のHPに一部屋を設けています。
巻一・12番歌、68番歌、巻二・224番歌(鴨山五首)に続いて、集中四首目の歌です。
あわびの歌は、集中十首詠まれています。
万葉集に詠まれている貝の歌としたのは、「これが」が、乾し鰒なので、歌に貝が出てこないのですが、貝を詠んだ歌としました。お時間がありましたら、HPの「万葉集の貝」の部屋を訪ねてみてください。
引用した本です。
今朝は7㎝ほどの積雪でした。
今日も真冬日かな。
では、このへんで。