万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

221.巻三・279~281:高市連黒人が歌二首と黒人が妻の答ふる歌一首

279番歌

訳文

「これでおまえにも猪名野は見せることができた。名次山(なすきやま)や角の松原も早く見せたいものだ」

書き下し文

「我妹子(わぎもこ)に 猪名野は見せつ 名次山 角の松原 いつか示さむ」

自分のよく知っている美しい野や山海岸を妻に見せる男の気負いを歌ったもの

猪名野:兵庫県伊丹市を中心とする風光明媚な猪名野川流域の平野

名次山:西宮市名次町にある丘陵。

角:西宮市松原町津門の海岸

280番歌

訳文

「さあ皆の者よ。大和へ早く帰ろう。白菅(しらすげ)の生い茂った真野の、榛(はんのき)の林の小枝を手折って行こう」

書き下し文

「いざ子ども 大和へ早く 白菅の 真野の榛原(はりはら) 手折りて行かむ」

281番歌

訳文

「白菅の生い茂った真野の榛の林をあなたはいつもご覧になっておられるのでしょうけれど、私は初めてです。この美しい真野の榛の林は」

書き下し文

「白菅の 真野の榛原 行くさ来(こ)さ 君こそ見らめ 真野の榛原」

私は初めて見るのだからもっと見ていたい、の意がこめられている。

猪名野は伊丹空港の近くかな。

難波津からの西下には、船旅もあったが、陸路の場合もあった。

難波を発ち、淀川水系の低地を抜けると、「猪名野」。

万葉当時の海岸線は現在より随分と北側にあり、尼崎市北部から伊丹市にかけての海沿いの一帯が、「猪名野」と称されていた。

引用した本です。

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今朝は夜半の雨も止んでいました。

雪が数㎝積もる予報でしたが、積もっていません。で、少し暖かく感じます。

では、この辺で。