144.巻一・84:寧楽の宮 長皇子、志貴皇子と佐紀の宮にしてともに宴する歌
「寧楽の宮に天の下知らしめす天皇(すめらみこと)の代」と書かないのは、編者と同時代だからであると。(編者は万葉集の編者かな)
84番歌
訳文
「秋になったら、今ご覧のように、妻を恋うて雄鹿がしきりに鳴く山です。あの高野原の上は」
書き出し文
「秋さらば 今も見るごと 妻恋(つまご)ひに 鹿(か)鳴かむ山ぞ 高野(たかの)原の上」
右の一首は長皇子。
佐紀は奈良市佐紀町付近。大極殿の北。長皇子の邸宅。鹿が鳴いている絵を見ながら詠んだ歌とのこと。秋になったらまた来遊して欲しい、の意をこめている。この歌は別資料からの増補という。本の最後の方の解説参照とある。後で読もう。
(読んでいないんだ、長くてどこに書いてあるかわからなかったらしい)
元歴校本、紀州家本などの目録には、この歌の題詞「長皇子御製」の次に「志貴皇子御製」の一行がある。本来は次に客としての志貴皇子の歌があったと思われる。
(え、万葉集は本来もう一首多かったのかな)
巻一は84首の雑歌で、つづく巻二は相聞歌(56首)と挽歌(94首)の計150首です。
巻一とあわせ、二巻で万葉集の三大部立てを構成するとのこと。
では、今日はこの辺で。
やっと巻一を読み終わりました。