107.巻第一・7:額田王:万葉集最初の歌
明日香の川原の宮の下知らしめす天皇の代
額田王が歌 いまだ詳(つばひ)らかにあらず
「秋の野の み草刈り葺(ふ)き 宿れりし 宇治の宮処(みやこ)も 仮廬(かりいほ)し思ほゆ」
左注に続きますが、省略します。
<歌意>
(秋の野のかやを刈り、屋根に葺いて旅宿りした宇治の宮どころの仮の庵のことがおもわれる)
明日香の川原の宮:皇極天皇の皇居、橘寺の近く。額田王は有名な女性なので、説明の必要もないのですが、鏡王を父とし、大海人皇子、後の天武天皇になった方の奥さんで、十市皇女を生んでいる。その後、大海人皇子の兄の中大兄皇子、後の天智天皇の後宮に入られたといわれています。この歌は、過去を回想し想起することを主題としているとか。皇極代の唯一の歌だそうです。額田王の歌は、集中12首です。
巻一:7、8、9、16、17、18、20
巻二:112、113、151,155
巻四:488(巻八・1606に重出)
このブログの65.万葉人の自然観(1):季節:額田王の「春秋優劣判別の歌」に記載しています。
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2008年2月に橘寺(聖徳太子御生誕地とか)を訪れ、そして、2010年3月に川原寺と橘寺を訪れたことを懐かしく思い出します。
2010年3月3日に撮影。
宮の址かな、川原寺のすぐそばで撮る。
橘寺:川原寺の前から撮影