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万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

91.万葉集に詠まれている花(25)つきくさ

つきくさの現代名は、つゆくさ。

ツユクサを変換すると露草、ツユクサ、つゆくさ、つゆ草と。

露草を万葉集の日記に記載していると思い込んでいたようです。

もう一つのブログ「風景の日記」には、2005年8月6日余市町居住)、2006年8月22日余市町)、2008年8月28日小樽市)、2013年7月19日小樽市)に記載していました。

その中で万葉集の歌を紹介したのは、2005年8月6日でした。

巻4・583、巻7・1339、巻10・2291の三首でした。

集中九首詠まれていて、後の六首は、巻7・1255、巻7・1351、巻10・2281、巻11・2756、巻12・3058、巻12・3059です。

最初の巻4・583の歌は、坂上大嬢であとは作者不明です。

九首は以下です。

訳は中西 進氏の万葉集全訳注原文付講談社文庫によります。

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583:月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ

(月草の色のように移り気でしか思っていないからでしょうか。私の恋する人はことばもかけてくださらないことよ)

1255:月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて

(まず月草で衣を染めることだ。あなたのために色どり美しい衣を摺ろうと思って)

1339:月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ

(鴨頭草色に衣を美しく摺りたいのだが、変わりやすい色だというのが不本意なことよ)

1351:月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも

(月草色に衣は摺ろう。朝露に濡れた後は色が落ちてしまってもよい)

2281:朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ

(朝露に勢いよく咲いた鴨頭草(つきくさ)が、日の傾くとともに凋みゆくように、我が身も消えうせるごとく思われるよ)

2291:朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我れはするかも

(朝に咲いて夕べにはしぼんでしまう鴨頭草のように、身も消えてしまいそうな恋も私はすることよ)

2756:月草の借れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ

(鴨頭草のようにはかない仮の命にある人間だのに、どう命を気がままにできるというのか、後に逢おうとおっしゃる)

3058:うちひさす宮にはあれど月草のうつろふ心我が思はなくに

(きらびやかな宮廷に私はいるけれど、鴨頭草のように移り気な心を私は持たないことだのに)

3059:百に千に人は言ふとも月草のうつろふ心我れ持ためやも

(あれこれと人はうわさしようとも、月草のように移ろう気持ちなど、どうして私は持ちましょうか)

1)2014年8月22日:小樽の庭で撮影

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道内では7月から9月に咲くようです。

秋の花と思い込んでたのですが、夏から秋に咲いています。

鴨頭草、露草、月草、鴨跖草(おうせきそう:民間薬)、かまつか、うつし花、帽子花、大帽子花(アオガミの染色に使用)、青花、藍花、縹(はなだ)草、蛍草などの多くの季語の別称を持っています。

ツユクサツユクサ科)

万葉集では「つきくさ(鴨頭草、月草)」の名で詠まれています。

「色のつく草」、つまり「着き草」という意味で、古くから花弁が染料として使われいます。

月草で染めた着物は、水で色が落ちやすいため、心変わりをたとえたり、この世のはかない命を表すのに、月草を使って詠んでいるようです。

小樽でも道端などにもよく見る花で、半日花です。

露草は、日の出とともにきらきらと朝露に輝いて開花するので、名がついたようです。

庭では除草対象になることも多いのですが、鮮やかな色を見ると万葉集に詠まれているのもうなずけます。

今、窓から咲いているのが見えます。

夏の花というよりやはり秋の花ですね。

白花、黄色斑入り、花弁の大きな「とうぼうし」という品種があるようです。

でも鮮やかな青紫の花に惹かれます。

なかなか入江泰吉氏のように露草の魅力を引き出して撮ることはできません。

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集中「移ろいやすく」、「うつろうふ色」、「うつろふ心」、「うつろひぬとも」などと表され、露草は仮の命として咲いている花と、もう逢うであろうことはないだろうと詠み、移ろいの表現を超越していて詠んだ歌もあります。

万葉人のように自然を観て、その自然に心を重ねる豊かさを画像に撮ってみたいです。

 2)2014年8月22日:小樽の庭で撮影

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