79.自然を詠んだ歌(7)雪景色
このブログでは、2012年8月29日記載の「詠まれている雪(1)あわゆき:沫雪」、2012年11月19日の「自然を詠んだ歌(1)雪」、2013年4月12日「自然を詠んだ歌(2)淡雪」で雪について記載していますが、お歌を紹介しているのは「自然を詠んだ歌(1)雪」だけです。巻3・318と巻20・4516です。
今年最後の裏山の雪景色を雪かき後に、撮りました(2013年12月24日)。雪の量が少なく、掃くように雪かきを終え、登る余力がありました。
1)裏山入り口近く:12月18日に登っています。
2)12月18日の道を踏みしめてたどる。
3)大姥百合
4)大姥百合
で、集中に詠まれている百五十三首の中で四首紹介したいと思います。
1)巻2・103:大雪
天武天皇が藤原夫人に賜える御歌です。藤原鎌足の娘の五百重(いおえ)娘をさしているとのことです。
「わが里に大雪降れり大原の古(ふ)りにし里に落(ふ)らまくは後」
(わが飛鳥の里には大雪が降っている。お前のいる大原の古びた里に降るのは、もっとあとだろうね。)
2)巻2・104:雪のかけら
藤原夫人の和(こた)へ奉れる歌です。
「わが岡のおかみに言ひて落らしめし雪の摧(くだ)けし其処に散りけむ」
(いえそうではありません。この里の竜神に言いつけて降らせた雪のかけらが、そちらにちらついたのでしょう。)
3)巻8・1639:沫雪
大伴旅人の冬の日に雪を京(みやこ)を憶(お)へる歌です。
「沫雪のほどろほどろに降り敷けば平城(なら)の京し思ほゆるかも」
(沫雪がまだらに降りつづくと、平城の京が思われることよ。)
4)巻8・1654:白雪
坂上郎女の雪の歌です。
「松蔭の朝芧(あさぢ)が上の白雪を消たずて置かむことはかも無き」
(松の木蔭の朝芧の上の白雪を、消さないで置くような「ことは」は無いだろうか。)
3)と4)の歌は、冬の雑歌(巻8・1636~1654)に、そして、冬の相聞歌(1655~巻8・1663)と続きます。
詩情を誘う雪景色を万葉人はどのような思いで眺めていたのでしょう。
単なる「雪」が表現されているものが百五首、次いで「淡雪」十五首、「み雪」十四首、「白雪」八首、と続き、大雪、雪消、霜雪、はだれ、初雪が一~三首だそうです。
万葉人もいろいろ、現代人もいろいろ、雪景色をいろいろな思いで観ていたのでしょう。
雪景色がきれいだなと思うことも、また、重たい雪が降り積もると雪搔きでもう降り積もらないでほしいと思うこともあります。
今のところ、今冬は昨冬に比べ、雪かきの回数が少ないです。ホッとしています。パソコンに向かうことも多いです。
5)中腹へ
6)中腹
7)中腹
8)中腹
9)頂上近く
9)家の近く
ブログ「句集風楽」を開設しました。お時間ありましたら左のリンクから覘いてみてください。