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万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

61.万葉集に詠まれている花(11)なでしこ

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撮影日:2013年7月6日

撮影場所:小樽の庭(たぶん園芸種)

以下参考にした本です。 

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かみさんが花の咲いたなでしこを十日ほど前に購入し、庭に植えました。

園芸品種で北海道にも栽培されているのかと漠然と思ったのです。

HP「BIVALVES」の「北海道に咲く万葉集の花」の部屋に撮った花を活けています。

活けるにあたり北海道に咲く花の一覧を作成しました。

その一覧に、なでしこは漏れているのです。

北海道になでしこは自生しないと思い込んでいたのですね。

道内にはエゾカワラナデシコ、ノハラナデシコタカネナデシコ、エンビセンノウ、カムシヒランジ、ムシトリナデシコ、アケボノセンノウ、サンボンソウ、ウスベニツメクサ、ヌカイトナデシコなどのナデシコ科の花が自生しているようです。

一覧になでしこを追加しなくては。

なでしこを詠んだ歌は集中に二十六首あり、そのうち十一首が家持の歌です。

そのうちの一首(巻三・〇四六四)。

「秋さらば見つつしのへと妹が植ゑし やどのなでしこ咲きにけるかも」

(秋が来たら見て愛でてくださいと、妻が植えた、庭前のなでしこが咲いたよ 吉村江美子氏の訳)

ナデシコの花を恋人になぞらえるほかに、愛しい子供のことをいうようになったのはのは、平安時代に「撫子」の表記が定着してからとのこと。

そして、江戸時代以降、清楚な日本女性を「大和撫子」といったようですが、平安時代に渡来した中国のなでしこである「石竹」を「唐撫子」と呼ぶのに対して呼んだようです。

唐詩が入ると日本の「歌」を「和歌」と呼ぶようになったようにです。

また、平成に入って撫子ジャパンとも呼ぶようになったようです。

いまでも万葉集に詠まれるなでしこは、奈良大和路では野辺に咲いているのだろうか。

一方、ナデシコ山上憶良の秋草の歌に詠まれるように秋の七草の一つです。

有名な歌ですね(巻八・一五三八)。

「萩の花尾花葛花瞿麦(なでしこ)女郎花また藤袴朝貌の花」

(萩の花、薄、葛の花、瞿麦、女郎花、藤袴、朝貌の花:中西 進氏訳)

一般になでしこ、あるいはやまとなでしこと呼ばれるのはカワラナデシコであるらしい。

日本にはカワラナデシコ、エゾカワラナデシコ、ヒメナデシコハマナデシコ、シナノナデシコが自生しているようです。

たぶん集中のなでしこもカワラナデシコを詠んだものと思われます。

野に咲くカワラナデシコに似たナデシコ科の花の総称として「なでしこ」をあげることができると思うのです。 

大和撫子、河原撫子、藤撫子、浜撫子、高嶺撫子、雲井撫子、霜降撫子、姫撫子などナデシコ科の総称で多数の園芸品種も含むとしたいです。

また、「とこなつ」、「おもいぐさ」などの古名もあります。

そして、秋の七草の一つですが、俳句では夏の季語(晩夏)として用いられていることが多いようです。

来年は庭のなでしこはいつごろ咲くのだろう。

なお、学名を意識して片仮名で、和名を意識して漢字・平仮名表記としました。

最後に大伴家持の歌(巻十八・四一一四)一首。

「石竹花(なでしこ)が花見るごとに娘子(をとめ)らが 笑(ゑ)まひのにほひ思ほゆるかも」

(撫子の花を見るたびに妻の明るい笑顔が思い出されることよ:庄司信州氏訳)

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