43.詠まれている花(7)ゆづるは:ユズリハ
撮影の日:平成十九(2007)年十二月七日
撮影の地:裏山
万葉集に「ゆづるは(由豆流波・弓絃葉)」として集中二首詠まれています。
ユズリハのことで、トウダイグサ科の常緑高木とのことです。
北海道には自生していないようです。
でも、同じ科のエゾユズリハが北海道の日本海側に分布しているようです。
春には堅香子や難波津などに注目して、この木はデジカメの撮影対象外でした。
しかし、裏山が雪におおわれる頃に、真っ白い中に緑の光沢のある䈎は目立ちます。
弓削皇子の歌(巻二・一一一)と巻十四・三五七二の二首です。
「古に恋ふる鳥かもゆづるはの御井の上より鳴き渡り行く」
「何ど思へか阿自久麻のゆづる䈎の含まる時に風吹かずかも」
エゾユズリハを北海道に咲く万葉集の花として追加しようと思います。
花の時期は五~六月とのこと。
図鑑では雄の木と雌の木があり、葉のわきに多数の花をつけるが、花びらも萼もないようです。