35.詠まれている花(二)さはあららぎ(沢蘭)
撮影の日:平成二十四年七月十七と十八日
撮影の地:小樽の裏山
まえに病葉のところで万葉集の歌は紹介しましたので、歌は省略します。
孝謙天皇のお歌です(巻十九・四二六八)。
昨日今日と気になる花があり、すくない花の蔵書からヨツバヒヨドリと同定し、その花を昨日、今日と撮りました。
「同定自信あるの? 葉の形だけで大丈夫。本に相違点はそれだけ。文献調べなきゃ。DNA鑑定しないと。」
「難しいこと言うね。たぶんキク科ヒヨドリバナ属と思うよ。自信ないけど。」
大姥百合の開花状況を見に行って、出会ったのです。
四葉鵯、ヒヨドリが鳴くころに咲くからという説もあるとのこと。
万葉集に詠まれている「さはあららぎ」は、サワヒヨドリ、ヒヨドリバナ、ヤナギランなどの説があるようです。
池や沢に生えていることから、万葉人はフジバカマと見分けて区別していたようです。
フジバカマがよく似た花ですが、区別していたようです。
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以下を訂正いたします。2013年7月14日訂正
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でも、身近に咲くヒヨドリバナの仲間を万葉人は、「さはあららぎ」と総称して詠んだのではと考えます。
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以下に訂正
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区別していたようなので、「さわあららぎ(沢蘭)」は、北海道にも自生しているサワヒヨドリ(沢鵯:ヒヨドリバナ属)と確信します。
そして、少ない蔵書もすべてサワヒヨドリとして記述しているのです。
ただ、ヒヨドリバナ(フジバカマ属)やヤナギランなどの説もあることから、身近に咲くヨツバヒヨドリ(四葉鵯:フジバカマ属)も北海道に咲く万葉集の花としたいと思います。
科は同じなのですが、属が違うこと、そしてなにより、万葉人はヒヨドリバナに似た花でも総称で呼ばず、「さはあららぎ(サワヒヨドリ)」と区別していたようなのですが。