32.海藻や海草を詠んだ歌(一)藻(も)
撮影の日:平成二十四年七月十一日
撮影の地:小樽市忍路(浜茄子、湾口と兜岩そして忍路臨海実験所)
昨日記載した万葉集に詠まれている植物(一)藻は、(一)で最後と思います。
今日、新たに海藻や海草を詠んだ歌(一)藻(も)として再出発したからです。
集中に八十首以上に登場するらしいのです。
貝の歌より多いですね。
海草は広く海に生える種子植物門に属し、花が咲きます。
代表がアマモとスガモでしょうか。
海藻は緑藻植物門、褐藻植物門、紅藻植物門、淡水藻類(緑藻植物門、車軸藻植物門、有色植物門、渦鞭藻植物門、紅藻植物門、藍藻植物門)に属する植物を総称し、花が咲きません。
あまのり、あらめ、てんぐさ、ふのり、ほんだわら、みる、わかめ、かわのりなどでしょうか。
和名として標記、たとえばコンブ類では愛想がないですね。
昆布や若布、海松(みる)、椎(め・にぎめ)などのほうが美しい日本語と感じるのです。
水中に生える海草・水草・海藻の総称と考えています。
「おきつも」は沖の藻。「へつも」は岸辺の藻。「かわも」は川に生える水草。「たまも」は美しい藻。「すがも」は管のように伸びる川藻のようです。
などなどです。
「我妹子(わぎも)と 見つつしのはむ 沖つ藻の 花咲きたらば 我れに告げこそ」(巻七・一二四八)
吾妹子 見偲 奥藻 花開在 我告与
(妻と一緒に見に来て賞美したい。沖の藻の花が咲いたら、ぜひ私に知らせてほしい)
旅先で海人に語りかける形で詠んだ歌とのこと。
海女ではないようです。
万葉集を詠んだ時代の人々のほうが、われわれ現代人より自然を詳細に観察し、豊富な言葉で詠み分けていたような気がします。
多くの美しい日本語を使用しなくなり、忘れられようとしているような思いがします。
一晩寝て、少し元気になったようです。
外は今、雨です。