万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

27.万葉集の面白さ(十一)つみ:ヤマボウシ

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撮影の日:平成二十四年六月二十九日

撮影の地:百合が原公園

ヤマボウシ(山法師)別名やまぐわ、万葉植物名:つみ(柘)

札幌の北大植物園や百合が原公園で花を観たのはもうかなり前です。

でも、この花が万葉集に詠まれていると今朝まで気が付かなかったのです。

迂闊にも。

柘とヤマボウシが結びつかなかったのです。

今朝、入江泰吉氏と山崎しげ子氏の「万葉四季の花」を観ていて気付いたのです。

入江氏のきれいなヤマボウシの写真を見てです。

ヤマボウシは本来本道に自生の樹ではなく、公園などに植えられたものです。

花の咲いたのを観察したのは、今のところ植物園と百合が原公園でのみです。

それで百合が原公園ヤマボウシの花を掲載しました。

作者未詳の巻三・三八七の歌で、作者名脱落とのことで。

「右一首、」として右に、集では下に作者名を書き忘れたのではないかとのこと。

官人某か、あるいは、山部赤人か。

中西進氏の「万葉集(一)」講談社文庫によります。 

 「この夕(ゆうへ)柘の さ枝の流れ 来(こ)ば

            梁(やな)打たずて取らずかもあらむ」

(この夕暮れ、柘の小枝がもし流れて来たら、

      梁(魚を獲る仕掛け)を打ってきっと獲ってやるぞ。

      <柘の枝は美女に化身するというからなあ>)

   批暮 柘之左枝乃 流来者 楔者不打而 不取香聞将有

   右一首、

ヤマボウシの花が万葉の美人に見えてきたでしょう。

これからも北海道に咲く万葉集の新たな花とめぐり会えるのでしょう。

左のリンク蘭の「BIVALVES」の北海道に咲く万葉集の花の部屋の一覧に加筆しました。

また、風景の日記(タグ:百合が原公園)や思い出の風景(百合が原公園夏)でもヤマボウシを見ることができます。

よろしかったら部屋をノックして覗いてみてください。

万葉集って面白いでしょう。 

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