102.北海道に咲く万葉集の花「卯の花・空木」を訪ねて
一昨日(2016年6月15日)に札幌市にある百合が原公園を訪ねました。
公園の花ごよみから、もうウツギ類(6月中旬から下旬に)が、そして、世界の庭園でヒマラヤの青いケシも咲いているだろうと訪ねました。
今年は、小樽でも花の咲くのが早く、もう少し早く訪ねたいと思っていました。
ウツギ類は、うつぎ類と表記すべきですが、園の花ごよみに従いました。
佐藤孝夫氏の新版北海道樹木図鑑(2002年、亜璃西社発行、札幌市)によりますとウツギとつく北海道に咲く樹木は下記のようになります。
(見落としているのもあると思いますが)
(1)ユキノシタ科
ノリウツギ(糊空木:エゾアジサイ、アジサイ、ガクアジサイもユキノシタ科)
バイカウツギ(梅花空木)
ウツギ(空木:万葉植物名「卯の花;宇乃花・宇能波花・宇能花・于花(万葉仮名)」)
(2)バラ科
コゴメウツギ(小米空木)
(3)ドクウツギ科
ドクウツギ(毒空木)
(4)ミツバウツギ科
ミツバウツギ(三葉空木)
(5)スイカズラ科
ウコンウツギ(鬱金空木)
ハコネウツギ(箱根空木)
タニウツギ(谷空木)
オオベニウツギ(大紅空木)
五科七種に及びました。
このほかにスイカズラ科の班入りオオベニウツギが、ユキノシタ科のヒメウツギ(姫空木)が、百合が原公園で咲いていました。
北海道に咲くウツギ類は、五科九種となるようです。
(学名などはカタカナで、その他の和名や標準和名を平仮名と漢字表記としています)
また、、サビタという名でも呼ばれ、原田康子氏の「サビタの記憶」にあるノリウツギは、日本、南千島、サハリン、中国と広く分布しています。
ウツギと万葉集について下記を参照していただければと思います。
17.万葉集の面白さ(六)卯の花
北海道に咲く万葉集の花「卯の花」として、今でも「谷空木」と思っています。
ウノハナは、北海道南部まで分布しいているようで,小樽には咲いていないので。
で、本来は北海道に咲く万葉集の花「卯の花」でいいのでしょうが。
でも身近に咲くタニウツギを空木・うつぎの縁で「小樽に咲く万葉集の花、卯の花」としたいのです。
同じユキノシタ科のノリウツギ、バイカウツギ、ヒメウツギを代わりとすべきかもしれませんが。
紫陽花は、万葉集の花としてあり、たぶん額紫陽花のようです。
万葉集の日記の36を参照してみてください。
上の本で、「リンネが作った分類」の項に生物の分類(系統分類)は、「ドメイン、界、門、綱、目、科、属、種」の八段階で行われるとしています。
科の下の属も本来表示すべきなのでしょう。
ライオンは、真核生物ドメイン、動物界、脊椎動物門、哺乳綱、食肉目、ネコ科、ヒョウ属に分類されます。
ウツギとついても同じ仲間とは言えないようです。
タイとついても、真鯛の仲間ではないように。
人間の決めた系統分類は、面戸だな。
種は、二名法という学名で示されます。
分類基準が変わると学名も変わるようです。
ウツギ(ウノハナ)ユキノシタ科(ウツギ属かな)の学名
Deutzia crenata Sieh et Zucc
もう上の学名変わっているかも。
百合が原公園で撮ってきたウツギ類を下記に貼り付けます。
1)バイカウツ
2)ヒメウツギ
3)タニウツギ
4)オオベニウツギ
5)班入りオオベニウツギ
空木の花、卯の花垣、花卯木などの異名があるウノハナ・卯の花・うのはなは、北海道南部から九州まで、全国の山地にみられるようです。
五月から七月に、枝の先に白い鐘形の五弁花が多数群がるように咲くようです。
「うつぎのはな」の「つぎ」を略して、「うのはな」に、また、陰暦四月、卯月のころに咲くから「うのはな」という説もあるようです。
「雪見草」、「夏雪草」の異名は、純白の五弁花に由来するとか。
卯の花腐し、卯の花曇り、卯の花月夜、境の木
庭に植えたい花の一つです。