16.万葉集の面白さ(五)再びにこぐさ
撮影の日:平成二十四年六月三日
撮影の地:小樽の家の裏山
にこぐさは、「万葉集の面白さ(二)にこぐさ」でも記載しています。
万葉植物名「にこぐさ」の現代名は、甘野老(あまどころと)と考えています。
北海道にはその仲間の大甘野老が生育していて、裏山でも咲いています。
そして、北海道に咲く万葉集の花の一つと思っています。
この花は花の時期が比較的長く、釣鐘状の花が少し膨らみながら白と緑の対比がきれいになります。
そのころには蜂類なども頻繁に訪れるようになります。
そして、鳥の羽のように葉を広げ、今にも飛びそうに見えます。
そのころが、一番かわいらしです。
万葉人は、花を人と同じように考えて歌を詠んでいるように思えます。
「・・・にこ草のように、にこやかにほほえましく思われる。」のようにです。
大伴家持の歌(巻二十・四三〇九)です。
「秋風になびく川びのにこ草の
にこよかにしも思ほゆるかも」
花をじっくりと観ているとにこやかにほほえんでいるようです。
画像ではその雰囲気が撮れただろうか。
雰囲気が感じられないのは、それは撮影技術のまずさです。